IPv4プロキシとIPv6プロキシの比較

IPv4プロキシとIPv6プロキシの比較

IPv4プロキシはIPv4アドレス、IPv6プロキシはIPv6アドレスでウェブサイトに接続します。どちらも、ネットワーク間でデータを送る規則を定めるインターネットプロトコルのバージョンです。利用者にとっての主な違いは、接続できるサイトと、タスクに使えるアドレスにあります。

IPバージョンはプロキシ選びの1要素です。ほかのサービス特性は、プロキシサービスのガイドで説明しています。ここではIPv4とIPv6を比べ、両方が今も使われる理由、大量のIPv6アドレスが役立つ場面、IPv4が必要なタスクを紹介します。

203.0.113.42のIPv4プロキシは、IPv4でFacebook、Google、TikTok、Twitchに接続します。2001:db8::42のIPv6プロキシは、IPv6でFacebookとGoogleへ接続します。図のTikTokとTwitchのホスト名には、直接のIPv6接続がありません。
図は、www.facebook.comとwww.google.comが両バージョンを受け付け、www.tiktok.comとwww.twitch.tvはIPv4のみを受け付ける場合を示しています。これらの対応状況は変わり得ます。同じサービスの別ホスト名でも動作が違う場合があります。選ぶ前に、現在のアドレスと作業全体を確認してください。

IPv4とIPv6を選ぶと何が変わるか

IPv4:IPv6に未対応のサイトへアクセスできる

IPv4は、203.0.113.42のような見慣れた形式です。長年使われており、今もIPv4接続だけを受け付けるサイトがあります。タスクがそのようなサイトを使うなら、プロキシはIPv4で接続できる必要があります。

IPv4アドレスの供給は限られています。事業者は既存のアドレスを購入・賃借し、契約終了後に別の顧客へ再割り当てすることがあります。新しく購入したプロキシでも、利用履歴がある場合があります。形式、希少性、評判については、IPv4プロキシのガイドで詳しく説明しています。

IPv6:対応するサイト向けに大量のアドレスを使える

IPv6アドレスは長く、例えば2001:db8::42と表記します。可能なアドレス数が非常に多く、事業者は自分の範囲から、未使用のものも含めて追加IPを割り当てやすくなります。

多数の作業環境に個別の固定アドレスが必要な場合や、大きなIPプールを必要とするタスクに役立ちます。ただし、接続先サイトはIPv6を受け付ける必要があります。仕組みと顧客への提供方法は、IPv6プロキシのガイドで説明しています。

特性IPv4プロキシIPv6プロキシ
サイトへの直接接続サイトがIPv4を受け付ける必要があります。サイトがIPv6を受け付ける必要があります。
IPの追加限られた供給から、追加のアドレスを確保する必要があります。大きな範囲から、多数の追加割り当てができます。
以前に使われていないIP存在しますが、新しいプロキシの購入が未使用IPの取得を意味するわけではありません。事業者は、範囲内の未使用部分から割り当てやすくなります。
同じアドレスの維持固定割り当てを提供するサービスで可能です。同じ条件で可能ですが、IPバージョンだけでは保証されません。
速度とアカウントへのアクセスネットワーク、サービス品質、サイトの規則によります。同じ要素によります。IPv6に自動的な優位性はありません。

IPv6がIPv4を置き換えていない理由

IPv6は主に、IPv4アドレスが限られている問題のために作られました。1台のサーバーで有効にすれば、インターネット全体のIPv4を置き換えられる設定ではありません。IPv6だけの端末と、IPv4だけの端末は、IPパケットを直接交換できません。

導入には、ISP、サイト運営者、ソフトウェア開発者の作業が必要です。サイトはIPv6接続を受け付け、ログに長いアドレスを保存し、アクセス規則も正しく扱う必要があります。設定とテストが必要で、その間もIPv4しかない利用者のアクセスを維持しなければなりません。

そのため、多くのネットワークやサイトは両方に同時対応しています。デュアルスタックと呼ばれ、利用者はIPv4でもIPv6でも接続でき、サイトは両方へ応答できます。バージョン間の変換も可能ですが、ネットワーク側にその機能が必要です。IPv6アドレスを持つだけでは、自動で追加されません。

IPv6はどの程度使われているか

IPv6は家庭やモバイルのインターネット接続で広く使われていますが、国による差が大きくあります。フランス、インド、ドイツでは大半の利用者が使えます。スペインとロシアでは、IPv4が主流です。

表は、APNICの測定結果のある時点の概数です。IPv6のみで提供されるテスト用リソースを取得できた利用者の割合を示します。測定対象の接続のIPv6対応を推定するもので、全通信量や全サイトに占める割合ではありません。丸めた値は国ごとの大きな違いを示し、リアルタイムの計数ではありません。

国IPv6に対応する利用者の割合
フランス約86%
インド約76%
ドイツ約73%
米国約63%
スペイン約11%
ロシア約8%

概数の出所はAPNIC Labsです。値は変化します。リンク先に更新された測定値があります。

この統計は利用者側の導入状況であり、特定サイトの対応を示すものではありません。国の普及率が低くても、対応するSNSをIPv6プロキシで使う妨げにはなりません。普及率が高くても、すべての国内サイトへ接続できる保証はありません。

互換性:作業全体を確認する

IPv4のみのサイトには、IPv6出口しかないプロキシから直接接続できません。別のIPv6アドレスへ替えても、接続するサイト側にIPv6アドレスがないため解決しません。逆に、IPv6のみの接続先への直接アクセスには、IPv6出口が必要です。

アプリケーションは通常、ドメイン名をアドレスに結び付けるDNSでサイトのアドレスを調べます。AレコードはIPv4、AAAAレコードはIPv6アドレスを含みます。AAAAがあればIPv6対応を確認する手掛かりになりますが、必要な全操作が特定のプロキシで動く証明にはなりません。

例えば、ホームページはIPv6で開けても、ログインページはIPv4だけの別ドメインかもしれません。広告管理画面が表示されても、データ送信先がIPv6では届かない場合があります。ログイン、必要な画面の表示、ファイルのアップロード、コンテンツの公開、ソフトウェア向けインターフェースのAPIによる取得など、通常の作業順序をテストします。

アプリケーションからプロキシへの接続は、経路の別の部分です。サイトへIPv6で接続するプロキシに、IPv4の入口を提供する事業者もあります。その構成では、自宅のISPがIPv6を提供する必要はありません。ただし、サービスとアプリケーションの両方が対応する必要があります。サイトまで届くバージョンは、サイトが見る接続アドレスで確認します。設定に入力するアドレスだけでは分かりません。

SNSや広告でIPv6プロキシを使う理由

実用例の1つが、代理店やマーケティングチームでの複数顧客のプロジェクト管理です。担当者は、ブランドページの運営、投稿、メッセージへの返信、広告管理画面の利用、レポートの収集を行います。顧客ごとに別のブラウザープロファイルを用意し、それぞれプロキシ設定を持たせられます。

固定IPが必要なプロジェクトには、その作業用プロファイルへ固定IPのIPv6プロキシを割り当てられます。再訪時にもサイトは同じアドレスを見ます。既存の割り当てを維持しながら、新しいプロジェクトに別のIPを渡せます。案件が増え、作業環境ごとに固有の安定したアドレスが必要な場合に便利です。

ここでIPv6の大きなアドレス空間が役立ちます。事業者は将来用の多数のアドレスを確保し、既存のプロファイルには同じIPを維持できます。一部は未使用かもしれませんが、プールで利用可能なIPが必ず未使用とは限りません。別の顧客が解放したものかもしれません。供給が多ければ、常にローテーションしなくても、新しい割り当てを増やしやすくなります。

IPv6のIP単価が安ければ、固定アドレスを維持しながら作業量に応じて増やす構成を管理しやすくなります。ただし、すべてのIPv6サービスが安いと考えず、許容負荷と通信量を含むサービス全体の費用を比較します。選ぶ理由は、プロジェクトに適したアドレスを確保できることです。必要な広告管理画面がプロキシからのIPv4接続を求めるなら、価格より互換性が優先されます。

未使用アドレスの個別IPには、以前の利用者の活動は結び付いていません。ただし、サイトは周囲のアドレス範囲や事業者ネットワークの評判も考慮できます。既知のホスティングネットワークの新IPv6も、そのネットワークの一部です。アカウント、Cookie、ブラウザー情報、利用者の活動が考慮されることもあります。新アドレスだけでSNSから信頼されるわけではありません。

固定アドレスもサービス条件であり、IPv6自体が保証するものではありません。割り当て期間、ほかの顧客との同時共有、更新後の維持を確認します。条件を確かめ、少数のサンプルで必要な操作を試すほうが、アドレス数だけで評価するより有用です。

IPv6プロキシのほかの用途

対応するサイトやAPIからのデータ収集。必要な情報源すべてがIPv6で到達できるなら、ワーカーやタスク群に別々のアドレスを割り当てられます。既知の情報源を定期的に使う作業は、サイト一覧が常に変わる作業より、事前に互換性を確認しやすくなります。

自社サイトやアプリケーションのテスト。IPv6プロキシを外部ネットワークとして、ページ表示、ログイン、アップロード、長いアドレスのログ処理を確認できます。IPv4にも対応するサービスはそちらへ切り替わる場合があるため、本当にIPv6で届いたか確認します。両方を比べれば、IPv6アクセスの問題を発見できることがあります。これはプロキシからサイトまでの経路のテストであり、訪問者自身の回線を試すものではありません。

両バージョンでの可用性監視。サイトはIPv4とIPv6で異なる経路やアクセス規則を持つ場合があります。一方だけでは、他方の障害を見逃します。別々に確認すれば、一部の訪問者だけが利用できる状態を発見できます。

大量のIP一覧だけで、サービスの処理容量が増えるわけではありません。数千のアドレスが、1台のサーバーと1本の回線を共有することもあります。データ量、同時接続数、処理速度は、引き続き設備とサービス条件に依存します。

速度・匿名性・ネットワークの種類:IPバージョンで決まらないもの

IPv6は高速化を保証しません。同じサイトでも、2つのバージョンで経路が違う場合があります。一方が短く混雑が少なく、他方が遅いかもしれません。プロキシサーバーの負荷やサイトの応答時間も影響します。

有用な比較には、近い地域、同じネットワークの種類、同程度のサービス上限など、似た条件のプロキシを選びます。同じアプリケーションで同じタスクを実行し、完了時間、成功リクエスト、セッションの安定性を見ます。IP確認サイトに対する1回の遅延測定より多くのことが分かります。

データセンター、住宅用、モバイルのネットワークは、どちらのIPバージョンも使えます。IPv6へ替えても、データセンターIPが住宅用になったり、国が変わったり、プール内の通信事業者が増えたりすることはありません。1つのネットワークの1000アドレスは、依然としてその1ネットワークを表します。

アドレスの長さで暗号化も決まりません。IPv6の128ビットはアドレスを表し、暗号鍵ではありません。HTTPSはIPv4でもIPv6でもデータを保護できます。IPバージョンだけでは、プロキシ利用を隠したり、利用者を匿名にしたりできません。

IPv4とIPv6を併用できるか

できます。例えば、テスト済みのSNS作業用プロファイルには固定IPのIPv6プロキシを使い、IPv4が必要なほかのサービスにはIPv4を使えます。会社の全タスクを同じバージョンにそろえる必要はありません。

構成は2通りあります。タスクごとにIPv4とIPv6の別プロキシを割り当てるか、両方でサイトに接続できるサービスを選びます。後者では、接続時にバージョンをどう選ぶか、テストで一方を指定できるかを確認します。ドメイン名を渡すだけではIPv6に固定されません。自動切り替えに対応しないサービスもあります。

IPv4でサイトに接続すれば、サイトにはIPv4が見えます。数百万のIPv6を持つ事業者が、同じ数のIPv4を持つとは限りません。切り替えるとサイトに見えるアドレスも変わります。セッションやアクセス許可が固定IPに依存する場合に重要です。

タスクに合うバージョンの選び方

IPv4のみのサイトへの経路には、IPv4が必要です。大きく変化するサイト一覧を使うプロジェクトにも便利で、すべての情報源のIPv6対応に依存せずに構成できます。接続の2つの区間を分けて確認します。アプリケーションがプロキシへIPv4で接続する必要があっても、プロキシがサイトへIPv4を使う必要があるとは限りません。

必要なサービスとアプリケーションが対応し、大量のアドレスが役立つタスクにはIPv6が適しています。顧客案件用の固定IP、テスト済み情報源の収集、IPv6可用性の専用テストなどです。サイトがIPv6に対応しても、すべてのIPv6プロキシを受け付けるとは限りません。使う予定の具体的なサービスを試します。

タスクごとに要件が違うなら、両方を使えます。まず必要なサイト、アプリケーション、アドレスの挙動を確認し、ネットワークの種類、位置、サービス品質を選びます。必要な仕事からIPバージョンを決めます。

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